2021年12月16日から17日にかけてフィリピン南東部を襲った台風22号(ライ)は、各地で甚大な被害をもたらしました。
特に被害が大きかったのは、セブ島とミンダナオ島北部の北スリガオ地域だそうです。
セブ島に住む友達に話を聞くと、28日になった今も、電力供給が止まったまま。
携帯のチェックをするためには、丘の上に行かないと電波が入らないのだとか。
日本と異なり、フィリピンの電力供給体制はまだまだ脆弱のようです。
ここでは、注目すべき電力株を3つ、ピックアップしてみたいと思います。
注目すべき電力株その1-Manila Electric Company
電力株の筆頭は、マニラ電力(Manila Electric Company, MER and MERB)。
フィリピン最大の電力販売会社で、日本でいう東京電力のようなところです。
メラルコ(MERALCO)と呼ばれています。
メラルコは最大の電力供給会社であり、供給エリアは9685km2、これはフィリピンの国土面積の3%に相当します。マニラ首都圏を中心に36の都市と75の自治体をカバーし、フィリピン全土の電力の55%を供給しています。
メラルコは2021年に創業118年を迎え、信頼かつ余裕のあるエネルギーを供給することを約束しました。
株主構成は2021年6月30日現在、
- Beacon Electric Asset Holdings, Inc. 34.96%
- JG Summit Holdings, Inc. 29.56%
- Metro Pacfic Investors Corp. 10.50%
で、この3社合計75.03%、機関投資家と浮動株が21.03%なので、極めて安定的な構成になっているようです。
注目すべき電力株その2- Aboitiz Power
アボイティスパワー(Aboitiz Power, コード:AP)は、主に再生可能エネルギーに投資しているフィリピン最大のクリーンエネルギープロバイダーです。フィリピン全国に48か所の発電設備、販売電力:3,494,65MWを有しています。
また、電力供給では、100万世帯, 4,500km2以上のエリアをカバーしています。
ここに着目したのは、2021年9月27日付で次の記事が出たからなのです。
フィリピン共和国の脱炭素化に向けた大手電力会社Aboitiz Power Corporationへの出資について
株式会社JERAは、フィリピン共和国の大手電力会社であるAboitiz Power Corporation(以下「Aboitiz Power」)の発行済み株式の約27%を約15.8億米ドルで取得することとし、本日、同社の親会社であるAboitiz Equity Ventures Inc.等との間で、株式売買契約を締結しました。必要な許認可取得等の手続きを経て、株式取得を完了する見込みです。当社は、同社への出資により、フィリピン共和国のエネルギー分野における当社のプレゼンスをさらに向上させ、同国の脱炭素化を加速させていきます。
同社との間では、LNG to Powerプロジェクトの共同開発や、火力発電所における技術協力を進めていくことに合意しております。さらに、本日、LNG調達の協業に関する基本合意書を締結しました。
将来的には、Aboitiz Powerとともに、脱炭素を目指すロードマップを策定し、当社が日本国内で技術開発中の「ゼロエミッション火力*」を、同社が保有・運営する発電所に導入することも検討します。
経済成長著しいフィリピン共和国では、2030年までに年平均4.2%の電力需要の伸びが見込まれており、電力インフラの整備が急務となっています。一方で、同国は日本と同じくエネルギー資源が乏しく、その多くを輸入に頼っています。
フィリピン共和国の脱炭素化に向けた大手電力会社Aboitiz Power Corporationへの出資について | プレスリリース(2021年) | JERA
JERAといえば、東京電力と中部電力という、日本の電力御三家のうちの2社が50%ずつ出資する、日本最大の発電供給会社。日本の電気の品質は、安定した電圧、周波数もさることながら、停電発生からの迅速な復旧もその要素に挙げられます。
日本の電気の復旧時間は平均して90分程度なのだとか。東京電力、中部電力による復旧のノウハウが、アボイティスパワーには伝承されるかもしれません。
当社は、フィリピン共和国特有の事情も十分に勘案しながら、Aboitiz Powerと協力して、同国のエネルギーの安定供給を支えるとともに、低コストかつスピーディーな脱炭素化に貢献してまいります。
株価は12月22日現在、31.10 PHP、ボードロットは100なので、6千円程度で買えます。
ボードロット(Boad lot)については、こちら。
注目すべき電力株その3 - First Gen
FGENはマニラ首都圏のあるルソン島や、ダバオのあるミンダナオ島などフィリピンの主要な島に,LNG火力,地熱,風力,水力,太陽光の発電設備を有し,総電力は3,492MW(2020年12月31日現在)に及びます。
3,492MWの発電電力は、日本でいうと東京電力で沸騰水型軽水炉の3基分に相当します。
そのうち,約2,00MWがLNG火力。
ソーラー一辺倒でないのがいいですね。
株価は27.65PHP, ボードロットは100なので,これも6千円程度で買えます。
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